「大怪獣のあとしまつ」公開記念!松竹第一回怪獣映画「宇宙大怪獣ギララ」(1967年)
まさかの初回レビューがこの作品になるとは・・・。
松竹が満を持して放った怪獣映画一作目「宇宙大怪獣ギララ」(1967年)です。
今、いろんな意味で世間を賑わせている松竹・東映の「大怪獣のあとしまつ」。
このいいタイミングで過去の松竹怪獣映画を取り上げようっていうあざとい目論見ですw
この映画の鑑賞は二回目。初回は”Hulu”で観ました。かなり初期の頃からHuluにはラインナップされてた覚えがあります。
初回観賞時は只々衝撃しかなく(悪い意味で)長らく封印していましたが、今回改めて観返しました。
独特のゆるさがあり、未だにカルト的な人気があったりする珍作ですが、まともに全編観返すのは正直しんどかったですw
ゴジラやガメラと差別化を図りたかったのか、前半はずーっと宇宙が舞台のSF映画に徹しています。
火星探検に向かう主人公一行。だが空飛ぶ円盤に邪魔され、搭乗機【AABガンマー号】のエンジンノズル付近に付着した謎の物質(ギララの卵?)を持ち帰る。
ここまでのくだりがとにかく長い!特に大した緊迫感もなく、どうでもいいドラマが間の抜けた単調なBGMと共にゆるーく展開されるので、とにかく退屈な事この上ない。
「いったい何を見せられてるんだ?」と思ってた頃にようやく怪獣が出てくる。88分の映画なのに50分頃になってようやく登場。
そして、いつの間にか命名された宇宙大怪獣ギララと自衛隊との攻防戦が繰り広げられる・・・のだが、特撮があまりにもショボい。
公開当時は「ウルトラQ」に端を発した怪獣ブーム真っ只中。東宝は「キングコングの逆襲」「ゴジラの息子」。TVでは「ウルトラマン」「サンダーバード」が人気を博していた時代。
松竹一発目の怪獣映画ということで大目に見てあげよう・・・とも言えない酷さ。
一度壊してまた作り直したかのような建物ミニチュア。砲撃しただけで砲身が飛ぶ謎仕様の戦車。どこかで見たことあるようなレーザー砲車。そしてどこを撮りたいのか分からないカメラワーク(コレは編集の粗さだと思うが・・・)。
更にそこに盛り上がりのかけらもない間抜けなBGMが延々と流れ、ホントにある種の洗脳ムービーのような様相を呈してくる。
ギララを倒す兵器を作るために月ステーションへ向かう主人公一行。その帰途、またもや空飛ぶ円盤が邪魔してくるが、この円盤の正体も目的も最後までさっぱり分からない。
その間栃木や群馬の田舎町ばかりを狙う宇宙大怪獣。なんだかんだでギララを倒し、金髪ネーチャンが「愛と勇気をギララが教えてくれました」という謎セリフを吐き、松竹映画だからか富士山をバックに主人公カップルが手を繋ぎ終演。
とにかく突っ込みどころ満載で、大した盛り上がりもなく、ひたすら長く感じる88分間でした。
ただし、見どころがないこともなく、珍しいF-104Jスターファイターの搭乗実景シーン(自衛隊が協力してた?)や、仮面ライダーで有名になる前の藤岡弘、氏のあどけない笑顔などはよかったです(初回観賞時は気付きすらしなかった・・・)。
エド・ウッド好きな私は、こういうチープな作品、決してキライじゃありませんが、また長らく封印すると思いますw
実はこのギララ、「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」(2008年)という続編がありまして、コチラもアマプラ、Hulu、U-Nextで鑑賞できます。
この続編もなかなかぶっ飛んだ内容でして、監督があの川崎実監督なんで、まぁ、察してくださいw
主演の加藤夏希はめっちゃカワイイです♪
こういう過去作を知っていると、「大怪獣のあとしまつ」もきっと楽しめるハズですw